しいたけ農家が保険に入ろうとしたらとても大変だった話

Freeeを使って(多分)無事に開業届を提出しました。というわけで、次の関門は保険の加入です。しいたけを栽培し、販売を志す身として入っておくべき保険とはなんなのか。とりあえず業務に伴うリスクを考えて、それを良く保証してくれる保険を探すことにしました。

業務のリスク

思いつく限りでは次のようなものがあります。

①伐採等に関わるリスク

原木栽培をしていますので、農家といっても林業みたいな作業が結構あります。半分林家みたいな感覚です。その作業の中で特に危険なのは、木の伐採でしょう。原木として扱う木は普通そんなに大きな径ではありませんが、中には20cm以上のものもあります。しいたけ農家の数が減少の一途を辿っていることから、今後放置されるクヌギ林も増え、大きな原木を扱わざるを得ないことになると思います。

作業する身として本音を言えば、しいたけの原木として扱う木は杉や檜よりもかなり比重が大きいため、そんな木は放置しておきたいのですが、大きすぎる木は何かと支障になりがち(枝が落ちて道を塞いだり、他の幼木の成長を妨げたり)なので、伐るに越したことはないです。ただ伐採はともかく、後処理が大変なので、バックホウ等の重機がないと辛いです。

林業で一番多い事故事例が伐採に関することというデータもあります。そういう訳で、労働災害を補償してくれる保険には加入しておくべきでしょう。

②器物を破損してしまうリスク

所謂「個人賠償責任」が発生するリスクです。これに関する保険は結構耳にするのですが、実は同じ名前でも大きく分けて二種類あります。「管理下財」に対する補償があるかないかです。

管理下財の説明は専門のサイトに譲るとして、これを理解していないといざと言うときに保険が適用されないということになりかねません。ですので特に個人事業主の場合、自分の業務の内容をしっかり踏まえた上で検討する必要があるでしょう。

基本的に私は人が住むところから少し離れたところで作業することが多いと判断しましたので、今回は管理下財に対する補償は付帯させませんでした。ただししいたけ栽培とは別の現場では業務の性質上、管理下財の破損につながるリスクがありましたので請負元に、そこでの業務に限り、適当な保険に入れてもらっています(「請負業者賠償責任保険」というやつです)。

③食品の販売に伴うリスク

単に食品といってもいろんな種類があります。分けても肉類は処理施設などにも非常に厳しい基準が設けられています。消費者の安全を確保するための当然の措置です。野菜については詳しくは知らないので比べられませんが、一方でしいたけは比較的そういった基準が緩い方かと思います。少なくとも原木しいたけでは、農薬は全く使いませんし、私みたいに露地栽培しているのであれば周りにあるのは木と土と虫くらいで、おおよそ健康を害するようなものはないと考えられます。

とはいえ、どれだけ気をつけていたとしても食品ですから腐ったものが紛れ込まないとも限りません。加えて、直販するつもりであれば、梱包の際に異物が混入して手に取ってくれたお客様の健康を害することがないとも言い切れないです。また、直接健康に害はないといっても、精神的な側面もあります。例えば虫が入っていて気分が悪くなったなどです(ただ虫はアレかもですが、自然物の混入についてはおおらかな気持ちで対応して頂きたいというのが本音です…)。

食品に関して消費者の安全を保証する法律はPL法(product liability)とよばれており、入る保険もそれをカバーしてくれるものが良いです。保険だけでなく、有機JASといった安全基準の認定も受けておくといいかもしれません。しいたけがその対象となるかは分かりませんが…。

④所得補償

コロナだなんだという時代にやはり所得の補償はあったほうがいいです。農産物は価格のボラリティがかなり大きな方かと思いますので尚更です。しかしながら私はまだ事業を始めたばかりというのもあって、今回はこの保険は見送ることにしました。来年あたり収入が安定してくれば改めて検討したいです。

以上です。次回は実際にどういう保険に入ったか書いていきたいと思います。

投稿者: 耶馬渓森のせわびと

大分県の耶馬渓でしいたけ作ったりしてます。宜しくお願いします。

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