寒伐り

今年は久しぶりにかなりの雪が降っています。ここ耶馬渓の降雪ピークは大体2月だったのですが、今年はどうでしょうか。それも踏まえた上で椎茸のスケジュールも立てないといけないかも。あと関係ないですが、メルカリでしいたけパウダーの販売を始めました。宜しくお願いします。

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今年もなんだかんだで作業が遅れたため、1月11日時点で伐採に全く手をつけていません。と言うわけで例年通り「寒伐り」を計画中。

伐りとは何か

「寒伐り」とは、文字通り寒い季節に原木用の木を伐採すること。なぜこんな用語があるかと言うと、通常、伐採の適期と言われているのが11月の3から7分黄葉の時期。

大分県のサイトから、しいたけ歴

秋のその時期ではなく、寒期に伐採することもあります。それを寒伐りと言う訳です。

そもそもの話、何故伐採は葉がついている時が良いと言われているのでしょうか。しいたけがうまく活着するためには、ある程度原木が乾燥している必要があります。そして効率の良い木の乾燥手段として昔から用いられているのが、葉(の気孔)の蒸散を利用したこの「葉枯らし」という方法なのです。葉のついた状態の木を伐って暫く放置しておくことで、根からの水の供給を絶ち、葉から水を抜くわけです。

しかしこの葉枯らし伐採、上の図を見てわかる通り、「ホダ起こし」と時期的にダダ被りします。更に、育てている菌種によっては収穫ともかぶってしまうでしょう。これは結構大変なことなので伐採は別の人にやってもらう人もいるくらいです。しいたけ農家の高齢化も急速に進んでいますので、益々困難な作業になっていくと思われます。

適期に伐採ができなかった場合、葉っぱの落ちた時期に行う「寒伐り」の出番となります。

伐りの注意点

寒伐りした場合、それらの木には葉っぱが全く付いてませんので、蒸散による乾燥には全く期待できません。なので、伐採したらなるべく速やかに「玉切り」をする必要があります。

(木は普通、運搬や利用し易いように短く切ります。その短くなった木を数える単位は「玉」です。ひとたま、ふたたま…という風に数えます。転じて、玉を作る作業を「玉切り」と呼びます)

玉切りすることで幹の表面からだけはなく、伐採面(木口こぐち)からも水が抜けるようになります。ただし木口からはしいたけ以外の雑菌、害菌が侵入し易いです。これは人の皮膚が最強の免疫機構と言われているのと同じですね。したがって、露地だと特に、気温が高くなる時期までには植菌を確実に済ませておくのが良いです。適当な長さより少し長めに伐っておくのも良いかと思います。寒切り後の原木の取り扱いに関しては、愛媛県の調査が参考になります。

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因みに、しいたけは、乾燥、低温に非常に強い生き物ですが、あまりに低温、過乾燥の環境下だとそのせいで菌糸の伸長が大きく阻害されます。含水量については、原木の芯が少し割れているくらいが植菌に適していると言われています。一方、気温については春先くらいが丁度いいのですが、その気温だと他の菌類にとっても居心地がいいため、原木に雑菌の侵入を許してしまうかもしれません。ですのでなるべく早めに植菌してしまうのが理想的です。

まとめ

つまり、理屈の上では、適度に原木が乾燥していてその後ちゃんとした措置を取れば、寒切りだろうが葉枯らしをしようが栽培に問題は無いということになります。

ということを言い訳にして今年も寒切りします。

投稿者: 耶馬渓森のせわびと

大分県の耶馬渓でしいたけ作ったりしてます。宜しくお願いします。

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